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アンケートデータを集計!お客様の本音を読み解く方法

ネットショップを運営していると、「なぜ売れたのか」「なぜ買わずに去ったのか」という疑問が常に付きまといます。購買履歴やアクセスログなどの定量データは「何が起きたか」を教えてくれますが、「なぜそうなったか」という心理的背景、つまりお客様の本音を教えてくれるのは、アンケートなどの定性データ、すなわち「VOC(Voice of Customer:顧客の声)」です。

多くのショップが「アンケートを取ってはいるが、集計して満足している」「自由記述が多すぎて読み切れない」という課題を抱えています。本記事では、この貴重なVOCであるアンケートデータを集計し、ネットショップの改善に直結する「本音」を読み解くためのデータマイニングと分析の型を解説します。

ネットショップの顧客調査の目的を再定義する:その「満足度」に意味はあるか?

まず、アンケートを設計・集計する前に、その目的を明確にする必要があります。よくある失敗は、「総合満足度」だけを聞いてしまうことです。

「満足です」と答えたお客様が必ずしもリピートするわけではなく、「不満です」と答えたお客様が必ずしも離脱するわけではありません。顧客調査で本当に追うべきは、以下の3点です。

  1. 期待と現実のギャップ:購入前に期待していたことと、届いた後の実感にズレはないか。
  2. 独自の便益(USP)の確認:お客様は自社の「どこ」を評価して、他社ではなく自社を選んだのか。
  3. 隠れた離脱要因:決済画面や配送、梱包など、購買体験のどこに「摩擦」を感じたか。

これらを浮き彫りにするための集計手法を見ていきましょう。

アンケートデータ集計の基本ステップ:定量と定性をブリッジさせる

アンケートデータは、選択式の「定量データ」と自由記述の「定性データ」が混在しています。これらをバラバラに分析するのではなく、以下のように繋げて考えるのがコツです。

1. 属性・スコアでセグメント化する(定量)

まずは、回答者を特定の条件(購入回数、購入金額、満足度スコアなど)で分類します。

  • ロイヤルカスタマー群:3回以上購入、満足度が高い。
  • 中立・検討群:初回購入、満足度は普通。
  • 離脱懸念群:満足度が低い、または特定の項目に不満がある。

2. セグメント別に自由記述を比較する(定性)

次に、各セグメントが自由記述欄に何を詳しく書いているかを比較します。

  • ロイヤル層が共通して触れているキーワードは、自社の真の強みです。
  • 離脱懸念層が触れているキーワードは、最優先で改善すべきボトルネックです。

データマイニングで自由記述から「本音」を抽出するテクニック

自由記述は宝の山ですが、数百件、数千件となると目を通すだけで一苦労です。ここで活用したいのが「テキストマイニング」的アプローチです。

ワードクラウドと共起ネットワーク

単語の出現頻度を可視化する「ワードクラウド」は便利ですが、それだけでは文脈が見えません。そこで重要なのが共起ネットワーク(どの単語とどの単語がセットで使われやすいか)の把握です。

  • 例:「配送」という単語と一緒に「遅い」が多ければ配送スピードの問題。
  • 例:「配送」という単語と一緒に「丁寧」「梱包」が多ければ、物流が強みになっている。

言い換えと感情分析

「高い」という単語一つとっても、「価格が高い(不満)」なのか「品質が高い(満足)」なのかで意味が180度変わります。データ集計時には、単語だけでなく前後の文脈に応じて感情スコアを付与することで、ポジティブな本音とネガティブな本音を仕分けます。

「お客様の本音」を読み解く3つの視点

集計データから具体的な施策に落とし込む際、以下の3つの視点を持つと、解決策が見えやすくなります。

① 「不満」の裏側にある「期待」を探す

お客様の「もっと安ければいいのに」という不満は、実は「商品は気に入ったので、もっと頻繁に買いたい」という期待の裏返しかも知れません。この場合、単なる値下げではなく「定期便」や「大容量パック」の導入が正解になります。

② 「当たり前」だと思っている強みを見つける

ショップ側が「当たり前」だと思っているサービス(例:手書きのメッセージ、環境に配慮した梱包)を、お客様がアンケートで絶賛していることがあります。これは競合との差別化になる「本音の価値」です。マーケティングメッセージの主軸に据えるべき要素です。

③ 「言及されていないこと」に注目する

例えば、新機能を追加したのにアンケートで誰も触れていない場合、その機能は「認識されていない」か「価値を感じられていない」かのどちらかです。これもまた、重要な「無言の本音」データです。

ネットショップ改善への活用例:データに基づいたPDCA

集計・分析した「本音」は、以下のショップ運営の各所に反映させます。

読み解いた本音具体的な改善アクション
「サイズ感がわからず不安だった」商品ページにスタッフの着用レビューや動画を追加
「ギフトで贈った相手に喜ばれた」ギフト対応のLPを強化、ギフト用オプションを充実
「使い方が最初わからなかった」同封するガイドブックの改善、解説メールの自動配信
「サイト内検索が使いにくい」検索エンジンの設定変更、カテゴリーの見直し

まとめ:データは「対話」の代わりである

アンケートデータを集計することは、単に数字をまとめる作業ではありません。画面の向こう側にいるお客様と「対話を再現する」作業です。

データマイニングを駆使して自由記述から文脈を読み取り、定量的セグメントと掛け合わせることで、初めてお客様の本音、すなわち「VOC」が立体的に浮かび上がります。ネットショップ顧客調査を、単なる「恒例行事」で終わらせず、次の売上を作るための「最強の武器」に変えていきましょう。

お客様の声をデータとして正しく扱い、誠実に応え続けること。それこそが、情報が溢れるEC市場で選ばれ続けるための、最も確実な道なのです。

The best way to predict the future is to create it.